やきもののまち 多治見•土岐•瑞浪を
舞台にしたアートプロジェクト

2024.10.18 - 11.17

土から生える

Artwork 作品


旧釉薬工場 資材置き場
旧釉薬工場 資材置き場
旧釉薬工場 資材置き場

日本の古美術、骨董の世界で数寄者と呼ばれている人たちは、膨大な日常工芸品の中から各々が想定し た建築空間に見合うものを選び出し、配置し、楽しんできました。それは見立てと取り合わせの世界です。 想定した建築空間は利休にあっては詫びた茶室であり、民芸の柳宗悦にとっては太い梁のある民家だっ たでしょう。この二人が選び出した品物は、お茶道具と民芸品ということで、今の私達にはずいぶんと違っ た品物に映りますが、よくよく見ると、王侯貴族が使った豪華なものではなく、やはり日常の工芸品です。

そこで、今は使われることがなくなった釉薬工場の2階の空間に、二人の天才のヒソミに倣い、この工 場でかつて使われ、うち捨てられている備品から品物を選び出し、配置してみることにしました。私にとっ てはとても楽しい作業で、空間と品物の取り合わせの妙というような問題も考えさせられる良い勉強の 機会でもありました。

しかし、多分、多くの、いやほとんどの来場者によってこれはただの粗大ゴミの陳列に見えたに違いあ りません。ソウナノデス。まさしくその通りなのですが、私にとってはその粗大ゴミでさえ、あるべき 空間に配置し、あるべき光を与えれば、物は美しさを発揮するのだと思えたのです。美しく感じたのは 私一人だったのかもしれません。実は、美しさという物はそういう物なのです。

万人が認め、絶対的な美しさを持つアートや工芸があると信じている人は幸せです。 そんな物はありません、あればそれはマガイモノです。

作品名

旧釉薬工場 資材置き場

作家名

坂田和實

制作年

2008

日本の古美術、骨董の世界で数寄者と呼ばれている人たちは、膨大な日常工芸品の中から各々が想定し た建築空間に見合うものを選び出し、配置し、楽しんできました。それは見立てと取り合わせの世界です。 想定した建築空間は利休にあっては詫びた茶室であり、民芸の柳宗悦にとっては太い梁のある民家だっ たでしょう。この二人が選び出した品物は、お茶道具と民芸品ということで、今の私達にはずいぶんと違っ た品物に映りますが、よくよく見ると、王侯貴族が使った豪華なものではなく、やはり日常の工芸品です。

そこで、今は使われることがなくなった釉薬工場の2階の空間に、二人の天才のヒソミに倣い、この工 場でかつて使われ、うち捨てられている備品から品物を選び出し、配置してみることにしました。私にとっ てはとても楽しい作業で、空間と品物の取り合わせの妙というような問題も考えさせられる良い勉強の 機会でもありました。

しかし、多分、多くの、いやほとんどの来場者によってこれはただの粗大ゴミの陳列に見えたに違いあ りません。ソウナノデス。まさしくその通りなのですが、私にとってはその粗大ゴミでさえ、あるべき 空間に配置し、あるべき光を与えれば、物は美しさを発揮するのだと思えたのです。美しく感じたのは 私一人だったのかもしれません。実は、美しさという物はそういう物なのです。

万人が認め、絶対的な美しさを持つアートや工芸があると信じている人は幸せです。 そんな物はありません、あればそれはマガイモノです。


下石工組 旧釉薬工場 その他の作品

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ART in MINO 土から生える2024
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