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高田窯場跡
「沈子(ちんし)」という魚網用のおもりを生産していた工場跡地。ある日突然閉業したため、製作途中の状態がそのまま放置されるなど、当時の様子が色濃く残っている。薄暗く水平に細長いボリュームのモロと呼ばれる木造の作業場と、軽快で高さのある開放的な鉄骨造の窯場の対照的な空間特性を持つ二棟に分かれている。
多治見市高田地区は「青土」と言われる良質な土に恵まれ、古くは山茶碗、江戸中期以降は徳利の生産で繁栄した。ある時期までは土の利用を厳しく制限するなど、地域の結びつきが特に強く、起伏が激しく入り組んだ地形も特徴的。今回の会場の中でも、失われつつある産地の雰囲気をもっとも強く残す場所であると言える。